所在地 | 飯山市 |
---|---|
歩行開始地点(地図)までの所要時間 | 上信越道豊田飯山ICより約40分 戸狩野沢温泉駅よりタクシー20分 |
最高到達地点の標高 | 1289m(鍋倉山) |
参考になるWebページ | http://www.nabekura.net/syuhen.html(なべくら高原 森の家) |
飯山市鍋倉高原にある「巨木の谷」は、樹齢400年を超える巨木「森太郎」と「森姫」で有名なブナの原生林です。鍋倉山の山麓にあり、手つかずのブナの森が残り、長野県自然百選の第1位に選ばれています。ここで紹介する、巨木の谷経由で鍋倉山まで登る登山道は、未整備でかなり歩きにくく、山歩きの熟練者向きです。特に、雪の残る6月やコンディションの悪い時は、充分な装備と注意がないと危険を伴うので、なべくら高原森の家にアドバイスや同行を頼む方が良いでしょう。森の家では、常時、残雪とブナの芽吹きツアーなどのツアーを行っています。また、鍋倉山は、白神山地と違い、アクセスやトレッキングが容易にできることから、大勢の人が「森太郎」や「森姫」などの巨木に触れようと近づき、根元が踏み固められたため枯れ始めており、「いいやまブナの森倶楽部」の方々によって保護されています。
同じ鍋倉高原の茶屋池〜ブナ林のコースは、誰でもずっと簡単に美しいブナ林を見られます。また、茶屋池の少し先の関田峠から信越トレイルに沿って鍋倉山に登り、巨木の谷に下りる登山コースも可能ですが、ここで紹介するコースより時間がかかります。
※「森姫」は、これを書いた2004年時は写真のようにまだ青葉がありましたが、残念ながら、2011年に葉が出なくなり、「枯死」しました。
戸狩野沢温泉駅よりタクシー20分
木がうっそうと生い茂る入り口を入ると、すぐ、案内板があるので登山道とわかります。さっそく、潅木とやぶをかき分けながらのけっこう急な登りです。15分ほどで道は90度左にカーブしています。この辺りにはおびただしいブナの実が落ちています。雪の重みで地面と平行に生えている木を何度もまたぎながら歩くと、右へまっすぐ鍋倉山に登る道と、左へ森太郎などのある巨木の谷に行く道の分岐点に着きます。巨木の谷側に行き、少し歩くと、「森姫」と書かれた標識があるので左に下ります。200mほど下ると左側に森姫が見えます。
森姫は、樹齢300年以上とされています。近年、季節はずれに落葉したりキツツキに穴を開けられたりするようになり、樹木医の指導の元、ロープを張って保護されています。できるだけ遠巻きに見るようにしましょう。名前通りとても美しい木です。
引き返して元の登山道に戻ってまた登り、ブナの倒木が何本かある地点を過ぎ、10分ぐらいすると、今度は、左手に森太郎を見下ろす位置に来ます。
森太郎の方は、樹齢400年以上とされていて、風格を感じます。こちらも、根が露出したりしてきており、ロープを張って保護されています。登山道に腰を下ろしてゆっくり見て、森太郎からのメッセージを肌で感じましょう。森太郎は、「なべくら山の森太郎―あずさちゃんが出会ったブナの物語」という絵本にもなっている木です。
そのまま登山道を歩くと、道が自然に右側にカーブし、少し歩きやすい道になって来ます。途中、沢に、枯れたブナの大木が上から幾本も転がっていて、ブナの墓場のようになっている光景が見られます。やがて、下からのまっすぐ上がる登山道と合流します。苔むしたブナや、右側のブナの美しい林を見ながらがんばって登ると、黒倉山との分岐点に着き、鍋倉山は左です。最後の難関、滑りやすく険しい湿地の登りを過ぎると、鍋倉山頂に到着します。
鍋倉山頂は、見晴らしが悪く、その少し下からの方が、千曲川や志賀高原の山々が見えます。
下りはまた素晴らしいブナの林を見下ろしながら戻ります。写真は、登山道の途中で、斜めに撮ったように見えますが、まっすぐ撮ったものです。冬の間、何メートルもの豪雪に絶えて育つブナは、木の幹が地面と平行に生え、途中で直角に曲がって上を向いています。何と素晴らしいブナの生命力!
途中の分岐からは、巨木の谷によらずにまっすぐ下りるので早いです。
![]() |
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第250号) |
残雪とブナの芽吹きツアーのページをご覧下さい。
執筆者:松尾(2004年登山)
←前のコースへ | 次のコースへ→ |
北信のトップへ |