所在地 | 松本市安曇 |
---|---|
歩行開始地点(地図)までの所要時間 | 長野道松本ICから車で約40分・岐阜県高山市から車で約60分、バスかタクシーに乗り換えて約40分 松本駅・高山駅前のバスターミナルからバスで、約1時間40分 |
最高到達地点の標高 | 2309m |
現地ライブカメラ | 会員制(無料)の北アルプスブロードバンドネットワーク内で、涸沢小屋・涸沢ヒュッテのライブカメラの映像が見られます |
涸沢は、上高地などから穂高連峰に登る手前の中継地点で、カールと呼ばれる、氷河期にできた渓谷です。日本有数の登山基地で、山小屋も、涸沢ヒュッテと涸沢小屋の2軒がある他、シーズンにはカラフルなテントが立ち並びます。7〜8月まで大きな雪渓があり、夏スキーのゲレンデにもなります。
また、涸沢は、全国に名だたる山岳紅葉の名所で、信州の紅葉の名所の中で最初に色付く場所の一つです。そのナナカマドが真っ赤に色づく紅葉は、「涸沢が燃えている」と言い表されます。紅葉の見頃は10月上旬頃です。
涸沢に至るコース途中の徳沢は、上高地からの観光ルートの明神池からさらに1時間ほど足を伸ばせば行ける、素晴らしい自然の聖域です。奥上高地とも呼ばれ、ニリンソウの花が咲くことでも有名です。徳沢も、涸沢・穂高連峰の他、槍ヶ岳・常念岳・蝶ヶ岳などの名だたる山への登山コースへの入り口として古くから利用され、徳沢園と徳沢ロッヂの2軒の山小屋と、テント場があります。
上高地のページをご覧ください。バスやタクシーは、終点の「上高地バスターミナル」で下車します。
バスターミナルから河童橋を左手に見ながら、梓川の上流に向かって右側を直進し、明神池方面に歩きます。上高地のページの「河童橋〜明神橋」をご覧ください。
明神橋からは、橋の右、明神館の食堂の右横にある登山口から直進します。少し行くと、右側に、徳本峠への登山口があります。徳本峠は、釜トンネルを通るバス道がなかった時代の上高地への入り口です。上高地を世界に紹介したウェストンや、芥川龍之介、高村光太郎も、この峠を越えたわけです。毎年行われるウェストン祭では、ここを越えて上高地に入ります。
長い少々退屈な歩道を1時間ほど歩くと徳沢に着きます。観光客は少なく、ほとんどの人が登山客で、河童橋の雑然としたにぎわいとは別世界です。
徳沢のテント場と山小屋をやり過ごしてさらに歩道を進むと、次の中継点の横尾に行けます。左側に、時々、梓川の上流が見えます。河童橋のあたりよりも幅は狭いが、やはり美しい流れです。横尾までのコースは、槍ヶ岳などへの登山コースでもあるので、登山シーズンは混み合います。45分ほどで横尾山荘が見えて来ます。
横尾から直進する槍ヶ岳への登山客と別れ、左の横尾橋を渡ります。りっぱな橋ですが、少々揺れます。渡ると、川原の道のため、石が多くなります。
少し行くと、今まで平坦な道だったのが、急に登りになります。
立ち枯れした木が目立つ林の中のコースを少し行くと、標高差が何と1,000mの絶壁で、ロッククライミングの名所、屏風岩が左手に見えて来ます。屏風岩を横目に見ながらがんばって登ると、つり橋の本谷橋が見えて来ます。
本谷橋は、横尾橋よりさらに揺れてスリルがあります。ここも紅葉の名所です。橋を渡った所の広い川原が、格好の休憩場所になっています。ここからは、勾配も急になり、しんどい登りです。安全な岩場で休憩しながら登りましょう。
やがて、穂高連峰と涸沢カールが眼前に見えて来ます。右が涸沢小屋、左が涸沢ヒュッテで、その間にテント場があります。
涸沢からは、正面少し左に奥穂高岳がそびえ立ち、その左に、前穂高岳、右に、涸沢岳、北穂高岳と、穂高連峰の主峰が一望できます。大自然のパノラマです。視界が良ければ、穂高岳山荘も小さく見えます。
下山は、元の道をたどることもできますが、登山中級者以上で、雪渓が消えている7月下旬以降で、悪天候でないなら、「パノラマコース」(パノラマ新道)がお薦めです。パノラマコースから下りるには、涸沢ヒュッテから下ってすぐの所から右にたどります。振り返ると、涸沢ヒュッテとカール、その右奥に景観とすばらしくマッチした涸沢小屋が見え、絵になる光景です。ここからしばらくは、転落の危険がある道幅が狭い断崖です。ロープが張ってあるので利用し、細心の注意を払って歩きます。
![]() |
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第250号) |
上高地五千尺ロッヂ
上高地五千尺ロッヂは、河童橋の近く、遊歩道からすぐの位置にあります。静かな木立に囲まれた山小屋風の建物ですが、客室はけっこう綺麗です。ロッジの前に、腰かけて景色を楽しむスペースがあります。
上高地のページをご覧ください。
執筆者:松尾('07年10月6日登山)
←前のコースへ | 次のコースへ→ |
中信のトップへ |